THE FLANDRE MAGAZINE | フランドルマガジン

私を作るのは、「あの服」と「あの日の気持ち」by 大草直子 VOL. 04

笑っちゃうほど、泣けるほど、服が好き。
そんな人気スタイリスト大草直子が綴る、はじめてのメモリアルエッセイ。
フランドルマガジンでしか見られない、素の大草直子が垣間見えます。

PROFILE
大草直子 NAOKO OKUSA 1972 年生まれ 東京都出身
大学卒業後、現・ハースト婦人画報社へ入社。雑誌「ヴァンテーヌ」の編集に携わった後、独立。現在はファッション誌、新聞、カタログを中心にスタイリングをこなすかたわら、トークイベント出演や執筆業にも精力的に取り組む。2014 年秋より、WEB マガジン(2015 年1 月オープン)「mi-mollet(ミモレ)」の編集長に就任。私生活では3 児の母。

子供服を選ぶのって、とても楽しい。我が家は、3人の子供たちがそれぞれ5歳ずつ年が離れていて、性別は、女、男、女。年齢もそれぞれの3人が、思い思いのおしゃれをしているのを見るのは、成長を見るようで、本当に微笑ましい。子供の服をどう選んでいるか、と聞かれることも多いけれど、基本的には本人の意志に任せている。ただし、キャラクターの服を買わない理由や、特にサッカー好きの息子には「なぜ、今日ユニフォームで出かけてはいけないのか」を説明するようにしている。キャラクターの服が我が家でNGなのは、着る人=子供たちが一番かわいく、それよりキャラクターが目立ってしまうのが、親として悲しいから。そしてレストランでの食事にユニフォームが「禁止」なのは、着ていく場所と目的と、その服の性質があっていないから。こんなことを、ゆっくりと説明するようにしている。

実は、小さい時の記憶が私にそうさせている。妹2人の七五三をお祝いするとき。小学校高学年だった私は、当然洋服だった。タータンチェックのワンピースに、白い襟、ネイビーのボレロが付いたセットアップ。とてもお気に入りの1枚ではあったのだけれど、私は妹たちと同じく着物が着たくて着たくて、写真撮影の間もずっと泣いていたのを覚えている。しっかり、その写真も残っているし――。きっと母は自分の着付けもあったから忙しかったのだろう。私はセレモニーの理由も、私だけがワンピースだった意味もよくわからず、そのときの記憶は、あまり良いイメージではなく残ってしまったのだ。

たかが服、されど服。服を着る、ということは、その日の着こなしをその日の思い出として、記憶に留めることだと思う。人間は、そんな記憶が複雑に重なりあってできている。ふとしたときに、ひょいと顔を出すのだから、服を着ること=おしゃれをすることは、決しておろそかにしてはいけないのだと思う。

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